冬の養生 2023
立冬からひと月ほど過ぎましたが未だ
気温が20℃近くなる日があり、引き
続き寒暖差が大きく安定しない日々が
続いています。
本格的に寒くなれば、身体も冬に対応
して全身の代謝を上げたり汗腺を閉め
たりするのでしょうが、今年は身体の
ほうもまだ冬仕様になりきらず揺らい
でいるのではないでしょうか。
別段思い当たる理由がないのに、この
時期、夜によく眠れないとか、なぜか
疲れがとれづらいとか、ギックリ腰に
なりそうな不安感があるとか、カゼを
ひきそうな感覚があるなどのときは、
おそらく気候への対応のために、自律
神経がいつも以上に疲労していること
が考えられます。
必ず衣服や寝具を工夫して体温調節を
助け、食事を消化の良いものにしたり
睡眠時間をすこしでも長く確保したり
して、自律神経の回復を促してみてく
ださい。
一段と寒くなってきましたら、冬の養
生を行なっていきましょう。
冬は「腎」に負担がかかる季節である
と考えられており、そのエネルギーを
損なわずに過ごすことが健康を保つ秘
訣となります。
身体を冷やさないようにすることと、
なるべく静かに、穏やかに過ごすこと
が推奨されていますよ。
手足の末端よりも、腎の領域である腰
や下腹部を冷さないように気を配って
みてください。
年末に向けて、大掃除に根を詰めすぎ
たり、忘年会などの予定を入れすぎた
りすると、腰を傷めやすくなることが
あります。
汗をたくさんかくような激しい運動も
控えめにしたほうが無難です。
年末が繁忙期という方も多いだろうと
思いますが、冬場はくれぐれも過労に
お気をつけください。
冬にお薦めの、身体を温める食材には
以下のようなものがあります。
・コショウ、山椒、シナモン、トウガ
ラシなどのスパイス
・ショウガ、ニンニク、ネギなどの
薬味
・羊や鹿の肉
・ブリ、サケ、エビなどの魚介類
・ニラ、カボチャ、玉ネギなどの野菜
基本的に火を通した温かい食事をとっ
ていれば問題ないと思いますが、冷え
が強い方は、これらのような温める力
を持つ食材を献立にすこしずつ加えて
みるものお薦めです。
ほてりが強い方は逆にとり過ぎにお気
をつけください。
腎を補う食材というものもあります。
黒豆、黒ゴマ、黒きくらげなどの黒い
色の食材や、山芋、栗、クルミ、ウズ
ラの卵、ホタテなどが該当します。
古来から滋養強壮の薬効があると考え
られてきたものが多いようです。
東洋医学においての腎臓は、水分代謝
のほかに成長発育や老化、生殖なども
担うとされています。
よく冬に腎を養って過ごすと、アンチ
エイジングの効果があるといわれたり
する所以でもあります。
加齢が気になる方、妊活中の方、体力
気力が低下している方などは特に、冬
に養生しながら暮らす価値が大きいと
思います。
ぜひ東洋医学の養生法をお役立てくだ
さい。
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