委中の効能
ツボの効能シリーズです。
委中(いちゅう)は、膝の裏にある
ツボです。
膝を曲げたときにできる横ジワの中央
にあります。
手で触ると、コリコリとしたしこりが
感じられるかもしれません。
この部位には、膝関節を包む関節包と
いう組織やリンパ節があり、動脈や静
脈、坐骨神経が通っています。
膝裏に水が溜まって腫れていたり、静
脈が怒張して見えたり、押すと痺れが
走るようなことがありましたら、ツボ
を使う前にまずは、症状について医師
にご相談ください。
委中が硬くなっているときにこれをほ
ぐすと、ふくらはぎの疲れやむくみを
直接的に軽減することができます。
デスクワークのあとやたくさん歩いた
あとなどに脚がつらくなったときは、
入浴時に石鹸をつけた手で撫でるよう
に、委中を軽く揉みほぐしてみてくだ
さい。
委中を柔らかくした上で、横になって
眠れば、翌朝には脚の疲れが解消して
いると思いますよ。
東洋医学的には、委中は「足の太陽膀
胱経」という経脈に属しています。
膀胱経は頭から足まで、身体の背面を
縦に流れています。
そのためか古来より、背中から腰にか
けての症状には委中を使うと効果的で
ある、と伝わっています。
背中の張りや腰痛がある方で、委中を
触ると硬くなっている場合は、委中を
軽く揉んだり、温めたりしてみてくだ
さい。
委中が緩んだ時には、腰を曲げやすく
なったり、背中の張りが緩和している
かもしれません。
坐骨神経痛の鍼灸治療では、委中に鍼
を刺して、強い刺激でわざと響かせる
こともあります。
痛みや感覚異常が強いケースに対する
施術で、治療後にややだるさが残るこ
とがあります。
ご自身で委中をマッサージするときに
は強く押しすぎないようにお気をつけ
ください。
また委中は、経脈で膀胱に繋がってい
ることから、鍼灸では膀胱炎の治療に
使われることもあります。
現在では病院受診が第一選択となって
いますが、尿が出づらく尿の色が濃い
ような症状のときに、このツボが使わ
れることがあったようです。
全身がむくんでパンパンであるのに尿
の出もあまり良くない、循環が悪く身
体の水はけが良くない、というときに
も試しに委中を軽くほぐしてみてくだ
さい。
病的なむくみでなければ、尿の回数が
増えてスッキリするかもしれません。
日常のちょっとした不調や痛みに、
ツボの効能や東洋医学の理論を活用し
てみてはいかがでしょうか。
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