筋肉のひみつ
季節は夏至を過ぎました。
梅雨の蒸し暑さは、これからが本番だ
ろうと思います。
暑さに身体を慣らしつつ、旬の夏野菜
や果物で内臓を養生し、必要に応じて
冷房や除湿を利用して、多くの日本人
にとって最もしんどいこの季節を乗り
切りましょう。
可能であれば、真夏になる前にすこし
でも運動して、筋肉を活性化させてお
くのがお薦めです。
コロナ禍で、運動不足に陥っている方
は多いかもしれません。
ステイホームを厳守しておられた高齢
者ほど、筋肉が減ってしまっているの
ではないでしょうか。
実は身体の水分は筋肉に多く貯蔵され
ています。
汗をたくさんかいて血液量が減ってく
ると、筋肉から水分が補給されて脱水
を防ぐことができます。
また筋肉が収縮・弛緩することでポン
プのように働き、血液を末梢まで循環
させることができます。
末梢部の血の巡りが良くなると、体温
を身体の外に発散させたり、発汗を促
して体温を下げる働きが強まります。
筋肉がしっかりしている人ほど熱中症
になりづらい、と言えるのです。
昨年よりも大幅に筋肉が減ってしまっ
たように感じられる方は、例年以上に
熱中症にはお気をつけください。
筋肉をつけようと思って運動を始めて
も一朝一夕には変化が出ず、怠けてい
ると筋肉が落ちるのはあっという間…
ということがあります。
筋肉はミオスタチン(筋抑制因子)とい
う物質を自ら出して、筋肉が必要以上
に増えることを防いでいます。
筋肉がしっかりしていると代謝が良く
なって太りづらくなるというのは有名
な話です。
つまり、筋肉はエネルギーを消費する
のです。
筋肉が増えすぎて体内のエネルギーを
どんどん浪費するのを防ぐために、自
らブレーキをかけて、必要以上に増え
ないように調整している、ということ
らしいのです。
筋肉量を保つためには、定期的な運動
や十分な栄養の摂取、休養などが必要
です。
週何回と決めてトレーニングに通うの
がベストですが、毎日一駅は歩くとか
掃除の回数を増やす、などから始めて
も良いのかもしれません。
筋肉が出す様々な物質の研究も進んで
おり、免疫の適正化や記憶力の向上、
メンタルへの好影響などに関与する可
能性が示唆されつつあります。
今後研究が進めば、筋トレが、様々な
症状の緩和につながると証明されるの
かもしれません。
タンパク質やビタミンなどの栄養素を
しっかり摂った上で、疲労を回復でき
る範囲で、身体を動かしてみてはいか
がでしょうか。
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