五臓⑤ 腎

五臓の最後のひとつは腎です。

 

腎は作強の官といわれています。

根気強く細かい作業をする役職という

ような意味合いです。

 

東洋医学的な腎のおもな生理作用は

「精を蔵す」

「納気をつかさどる」

「水液をつかさどる」

です。

 

両親から受け継いだ遺伝的因子を

”先天の精”といいますが、これは腎に

収蔵されて気に変換され、身体の活力と

なっています。

成長発育や生殖も腎精によって正常に

おこなわれるようになります。

 

このため腎の虚弱は、不妊や発育遅延、

老化が早まるなどの影響を及ぼします。

 

社会問題にもなっている不妊症を鍼灸や

漢方で治療する場合は、腎を補うという

観点が重要視されることが多いです。

 

また、腎は肺と協力して呼吸もつかさ

どっています。

下腹部にまで届くような深い呼吸は精を

気に変化させるのに必要で、これを納気

といいます。

 

この作用が不調になると呼吸が浅くなり、

喘息の治りづらさにも関与します。

 

身体の水分は肺が全身に散布したあと、

身体の下部で腎が集めて処理すると考え

られています。

 

なんといっても尿の生成や排出を担う

ことから、腎は水液をつかさどるといわ

れています。

 

このほかにも、腎は骨や脳、耳や髪、

肛門や尿道、腰などと関係が深いです。

 

老化にともなって骨や歯がもろくなった

り、記憶力が減退したり、耳が遠くなっ

たり、白髪になったり、夜間尿が増えた

りするのは、腎の精が衰退するためだと

理由づけられています。

 

腎の元気がないと、腰から下の下半身が

だるく無力に感じられます。

これを腰膝酸軟(ようしつさんなん)と

いい、腎の不調を判断する指標にもなる

のでぜひ覚えてください。

 

腎は五行説では水に配当され、膀胱と

表裏関係で、同じ水のカテゴリーの

しょっぱい味や黒い色、冬という季節

などと関係します。

 

養生としては、黒ゴマや黒豆、ひじきや

黒きくらげなどの黒い食材を摂ると良い

といわれています。

また、根をつめて長時間細かい作業を

すると腎を消耗するので、休憩をはさむ

ことも大切です。

 

塩分はむろん摂りすぎはいけませんが、

塩気(ミネラル)の多い食物は身体を

温める作用があり、北国で冬の保存食と

して塩漬けが食べられてきた理由とも

なっています。

 

塩からい味をもつ食材として栗やイワシ、

醤油や味噌、カニやアサリなどがあり、

腎を補う作用があります。

 

また、便秘の解消に塩水を飲むという

養生法も伝わっています。

 

腎を損なわないように養生して、年相応

の若々しさを保ちたいものですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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