春の養生
異例の早さで桜が満開を迎えてから、
寒の戻りと雨が続いたりと、春特有の
不安定な気候になっています。
花粉症や気象病がある方でなくとも、
だるさや気分の落ち込みを感じるかも
しれません。
自律神経への負担をすこしでも抑える
ために、睡眠不足や暴飲暴食を控えて
朝晩は暖かくしてお過ごしください。
東洋医学では、春は冬のあいだに溜め
込んだ老廃物をデトックスしながら、
少しずつ身体を動かし、活動を始める
のが良いといわれています。
老廃物の排出を促すとされるのが苦味
のある食材です。
春野菜や山菜、濃いめに淹れた緑茶の
苦味などが効果的です。
春キャベツや菜の花、フキノトウやタ
ラの芽、タケノコなどの春の味覚を、
少量でも食事に加えてみてください。
春は臓腑の中では「肝」に負担がかか
る季節であると考えられています。
東洋医学的な肝臓は、気の巡りや血の
貯蔵を担っています。
肝が不調となれば情緒が不安定となり
イライラが強くなったり、消化不良が
起こったり、目のかすみや筋肉の引き
つりなどの症状があらわれる可能性が
あるとされます。
3年間のコロナ禍で極力外出を控えて
いたという方も多かったのではないで
しょうか。
屋外に出てのびのびと過ごすという、
肝を健やかに保つための養生を行なう
ことも難しかったわけですが、その影
響か、メンタルの不調や筋力の低下を
訴える方が、昨今とても増えているそ
うです。
感染症を怖いと感じるのはもっともで
すが、コミュニケーションや身体活動
を制限して暮らすのもまた、健康には
良くないものです。
今年は自粛の必要がなくなりましたの
で、晴れた日はぜひ屋外に出てみては
いかがでしょうか。
春用の軽い衣服で、多少は日光も浴び
て、人混みを避けたお散歩などはお薦
めです。
1ヶ月後の5月の連休頃になれば急に
暑くなることもあり、熱中症の話題も
出始めるだろうと思います。
休眠中の汗腺の機能を回復させるため
には、運動や入浴でたびたび汗をかく
訓練をしなくてはなりません。
体温調節に欠かせない発汗機能を、春
のあいだに多少なりとも活性化させて
おきましょう。
季節に即した養生法を生かして、寒暖
差の大きい季節の変わり目を健やかに
お過ごしください。
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