認知症予防に酸化対策
9/1(日)に、岐阜大学が監修する一般
公開セミナーに参加してきました。
テーマは「認知症と健康長寿」です。
認知症といえば、高齢化が進む日本に
おいて多くの人が懸念を抱いている病気
です。
認知症の治療薬は、世界中の製薬会社が
65兆円を費やして開発を試みましたが、
現在すべて失敗に終わっています。
認知症の予防法についても、多くの研究
者が様々な見解を述べ、信憑性が確認で
きないものも含めて乱立しているのが
現状かもしれません。
認知症のなかで一番多く、半数以上を占
めるのがアルツハイマー病です。
近年、高血圧や高脂血症、糖尿病などの
生活習慣病が、アルツハイマー病の危険
因子であることがわかってきているそう
です。
高齢者については、脳梗塞や脳出血など
の脳血管の病変と、アルツハイマー病が
多くのケースで共存していることが明ら
かになっています。
運動や食事に気をつけ、まずは生活習慣
病にならないことが、認知症を予防する
ことにもなります。
さらに脳血管や脳細胞の機能を保つため
に、「細胞の酸化を抑える」ことが注目
されています。
呼吸で取り入れている酸素は生命維持に
必要不可欠なものですが、同時に細胞を
老化させたり炎症を起こしたりする毒性
も持っているのです。
アンチエイジングとは、酸素の毒性を
緩和して細胞の老化を緩やかにすること
です。
脳のアンチエイジングのために、強力な
抗酸化作用をもつ医薬品やサプリメント
が開発されています。
生活習慣に気をつけつつ、それらを服用
することで、脳細胞の酸化を防ぎ、脳血
管周囲に沈着するアミロイド(ゴミ)の
スムーズな排泄を促していく、というの
が認知症治療の最前線であるとのことで
した。
ビタミンA、C、E、β-カロテン、ポリフ
ェノール類などの抗酸化物質を含む食品
は、たくさんあります。
テレビの健康番組などでもよく取り上げ
られていますので、健康のために積極的
に取り入れておられる方も多いと思いま
す。
しかし、これらの抗酸化物質について、
単一の成分をたくさん摂ると、逆に酸化
ストレスが上昇してしまうこともあるそ
うです。
ポリフェノールについては多くの種類が
ありますが、複数のポリフェノールを
少量ずつ組み合わせて摂るのが効果的だ
とのことでした。
漢方薬のように、組み合わせの妙という
ことがあるのかもしれません。
最も抗酸化作用が高まる成分の配合に
ついても研究がなされているようです。
ちなみに、赤ワインにポリフェノールの
一種であるレスベラトロールが含まれて
いることが宣伝され、健康のために赤ワ
インを飲むことが流行した時期がありま
したが、現在では抗酸化効果がないこと
がわかっています。
試験管内の実験では良い数値が出ても、
人体に入ったときの反応はまた別だそう
です。
健康に関する様々な情報が蔓延する現代
ですが、企業の広告や利権に惑わされず
本当に有益な情報を取り入れていきたい
ものですね。
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