五行説と元素

元素とは、万物を構成する要素、と

いうような意味合いです。

 

現在では、水素・ヘリウム・リチウム・

ベリリウム……といった原子によって

すべてのものが構成されているというの

が共通認識ですが、原子が発見される

以前の昔から、人々は万物の構成元素に

ついて様々なことを考えていたようです。

 

古代インドに生まれた伝統医学にアーユ

ルヴェーダというものがあります。

 

アーユルヴェーダにおいては、

ヴァータ(風)

ピッタ(火)

カパ(地)

の三大元素により、自然界や人体が構成

されていると考えられています。

そのバランスの偏りによって人の体質や

性格の特徴が決まるのです。

 

古代ギリシャでは、土・水・火・空気の

四大元素によって万物が構成されている

と考えられていました。

 

また、哲学者アリストテレスにより天体

を構成する第五の元素として、エーテル

というものの存在が提唱されたりもしま

した。

 

鍼灸や漢方の治療理論の基礎となる古代

中国の哲学では、木・火・土・金・水の

5つの要素によって万物が構成されて

いると考えます。

これを五行説といいます。

 

3千年くらい前までは、元素の数も4で

あったり6であったりと、書物によって

ばらつきがあったようなのですが、徐々

に5に統一されていき、2千年くらい前

には五行説として成立しています。

きっと多くの哲学者たちが、知恵を絞り、

議論を戦わせつつ、意見をまとめていっ

たのでしょうね。

 

五行説ではあらゆるものが木・火・土・

金・水のどれかに配当されています。

 

例えば「木」は成長や発散のエネルギー

を表しています。

季節なら春、色なら青、味なら酸味、

感情なら怒り、人体では肝、胆、筋、目

などが「木」のカテゴリーです。

 

また、5つの元素は互いにエネルギーを

補いあったり、抑制しあったりしてバラ

ンスを保っています。

 

人体においてこのバランスが崩れると

病気になります。

 

東洋医学的な鍼灸治療とは具体的に一体何

をやっているのかというと、乱れてしまっ

た五行や陰陽のバランスを、適正な位置に

戻そうとしているのです。

 

現代の科学から見ると荒唐無稽かもしれま

せん。

ですが、何千年ものあいだ廃れずに生き残

ってきた哲学であり、治療法です。

きっと何らかの真理が含まれているのだろ

うと、思わずにはいられません。

 

 

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