ほうれい線と中気下陥証
ほうれい線は鼻のわきから唇の端に伸び
る線で、これが深く濃くなると老けて
見えることから、女性から大変嫌がられ
ています。
加齢や紫外線などの影響で、皮膚の張り
や弾力を担う真皮のコラーゲン線維や
エラスチン線維が減少すると、肌がたる
んでしまい、ほうれい線も深くなると
考えられています。
ほうれい線を薄くするために、様々な
マッサージ法やエクササイズ法、ヒアル
ロン酸注射などが存在しています。
ほうれい線上に鍼を打つ美容法もあり
ます。
鍼を打つことによって毛細血管が開き、
皮膚の血行が良くなります。また、鍼に
よる微細な傷が修復されるときにコラー
ゲンが生成されるため、肌のハリを取り
戻すことができると考えられています。
これは現代医学に基づいた鍼の使い方
です。
東洋医学的には、全く異なる解釈でほう
れい線に対処します。
ほうれい線以外にも、胃下垂や子宮下垂、
膀胱脱、慢性の下痢、脱肛など、「下に
さがる」症状全般に対しては、消化器系
を元気にする治療が効果的だったりする
のです。
五臓の”脾(消化器系)”は、臓腑や組織
のあるべき位置を保ち、下がっていかな
いように持ち上げる役割をしています。
これを昇提作用といいます。
脾気虚(消化器系のエネルギーの低下)
によって昇提作用が低下すると、下垂症
状があらわれる可能性があり、これを
中気下陥(チュウキゲカン)証といい
ます。
暴飲暴食や味の濃いもの、脂っこいもの
を避けて、食べ物をよく噛み、過労に陥
らないように気をつけていると、”脾”の
エネルギーが回復してきます。
そのときにはきっと、お肌が持ち上がり、
ほうれい線も薄くなっていると思います
よ。お試しになってみてください。
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